伝説プリンセス


〜Princess〜


「ヒロなんか知らないもーん!」


あたしは口を尖らせて早足で歩く。



「まぁまぁ、もともとヒロ兄はラテン系な人なんだから

許してやってくださいよ♪」


だけどそれとこれとじゃ話が違う。


サチがラチられた。


今は緊急事態なのだ。



ドンッ!


「うわぁ!大丈夫ですか?」


ヒカルにいきなりぶつかって来たのは

あたしと同い年くらいの女の子だった。


そのはずみでピストルが落ちる。


「ごっごめん。」


「女がピストルなんか持って

物騒だな。」


「いやぁ…これは

ピストルタイマンの…」


「あなたも出るのですか?!」

「そういうあなたも?」

「いえ僕は出ません。知り合いが出ます。」


顔にそばかす付けてカウボーイハットを被る彼女は

まさしく女カウボーイだった。


「なぁ、そういえば

ピストルタイマンってなんなん?」


「そういえば…大会って事しか知りませんね。」


あたしとヒカルは女カウボーイを見る。



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