伝説プリンセス


「ええっとな、ピストルタイマンっつーのは


年に1度開かれるこの町の大会さぁ。

誰がピストルをうまく操れる

真のカウボーイか競い合う。


準決勝までは胸に付けた相手のピンバッチに

ピストルに入れたガム(弾)をうまく付けたほうが勝ち。


決勝は命を賭けたタイマンだ。

本物の弾を使用する。


勝てば誰もが羨み何不自由ない生活を送れる

真のカウボーイ。


負ければカウボーイの誇りを持って死ぬ。



カウボーイのプライドを持った戦いなのさ!」



女カウボーイは胸を張ってはきはき言った。



「ヒロ兄が危ないですよ。

命の危険性があります…。」


「大丈夫だろぉ。ヒロは決勝に行く実力はないだろぉ。」



ぴくっとあたしたちの会話に女カウボーイが動く。



「ヒロってやつ…君らの知り合い?」


急に声が低くなるのであたしらは息を呑みうなずいた。



「彼が知り合いだったとは…。


あの人は見た感じ腕は持ってそうだが

先ほどの予選で見たとおりの実力の持ち主だった。」



「ヒロってそんなすげぇーの?!」


あたしはつい身を乗り出した。



「君らは彼の実力を見抜いていなかったのかい?」


逆に質問されて言葉が詰まる。



「まぁ、あたいは彼の事がどうも気にくわんが…。」


女カウボーイはムスッとした顔であたしを見つめる。


「そういや、君ら旅人かい?

よかったらあたしの家に泊まらないかい?」



「マジか!!泊まる泊まる!!なぁ、ヒカル、いいだろ?」


「はい、ご迷惑でなければ。」


「アハハ、心配すんな。

あたいん家は使われなくなった宿屋を

乗っ取って作った孤児院なのさ。


あたいがその孤児院の管理人のミミーだ♪」


ミミーはニッと可愛く歯を見せて笑った。






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