伝説プリンセス



「しょうがねぇ…。勝負してやりゃぁ。剣を捨てろっ。」


「へっ?」


「剣を捨てろってどういうことだよ?」


青年の言葉に目が点になる。



青年はふぅっとため息をつき、


剣を横に投げ捨てた。



それを見てヒカルは剣を下げる。



「何をするんですか?」


その質問に青年は答えず


壁に立てかけているモップを手に取った。


そして、モップのブラシの部分を取り外し、


もぅ一つのモップもブラシを外した。



「これなら平気だ。」


さっきよりずいぶん明るい声で言った。



その光景をあたしたちはじーっと見ていたら


急に青年は振り向き、ヒカルにモップを一本手渡した。


(ただの細長い棒だけど)



「ここで血に染まることはしたくない。


 正々堂々モップで戦おうではないか!!」






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