伝説プリンセス


~Butler~


予選が終わり本選が始まった。


ミミーさんはAブロックで

ヒロ兄はCブロックで


両々力を発揮していた。



ミミーさんの実力にも驚いたが

それよりもヒロ兄のパフォーマンス(技術)に


誰もが釘付けになった。



ソーナル町で盗賊として鍛えた足は

ここで発揮されるとは…。


それに命中率も半端じゃない。


一人一試合3球、ガム弾を使えるのだけど

彼は一球でしとめる。


まるで本当の狩人のように。



今までネバー銃自体に気を取られていて

彼の実力に気付かなかったのが

仲間として不甲斐ない。



「あ~、疲れた。」


次の試合まで時間がある時


ヒロ兄は僕の隣で腰を下ろした。



「ヒロ兄、凄いですね!」


僕はしゃがんでヒロ兄に話しかけた。



「まぁな。

みんな、俺には手加減してくれないみたいで


逆に倒すのが楽しいぜ。」


ヒロ兄はニッと笑う。


このままだときっとヒロ兄は決勝に行く。


「ミミーさんも順調に勝ち越しているそうですよ。」

(お嬢情報によると)


「そっか、あいつと戦ってみたいなぁ。」


「でも…ミミーさんを勝たせないといけないんですよね?

 このまま二人とも決勝に行くとどちらかが…」


「そこまで言うな。」


ヒロ兄の言葉に僕は口をつぐんだ。



「それはオレたちが決める。」


そう言って

ヒロ兄は立ち上がって


次の試合に臨んだ。




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