伝説プリンセス







群衆が集まる。


みな、一点に集中する。


そう、ヒロとミミーに。



今から決勝が始まる。


あたしとヒカルは群衆の中に入り、


二人の様子を見守っていた。


(3ガキトリオは表彰の準備の手伝いをしていて

どっか行った。)



ミミーは何回も深呼吸をして気持ちを落ち着かせている。


一方、ヒロはピストルをカチカチと調整して、


その顔にはいつもの笑顔がなかった。




決勝は5本勝負。



フィールド内では逃げ隠れOK。


時間無制限。



先に相手の心臓を撃ち抜いたほうが勝ち。




でも、今までの決勝はだいたい短時間で決着が着くと


隣に居た髭面のオッサンが言った。



「お互い傷つきたくないからな。


死ぬなら一発で死にたい。


傷を負ったまま勝っても

幸せの国で遊びづらいじゃないか。」



「幸せの国・・・?」


どっかで聞いたことがある…。



「知らないのかい?


この決勝で生き残れば億万長者になり


ついでに幸せの国で一生遊べるんだ。」



始まりの合図のピストルが鳴る。


始まった。



二人はサッと樽に隠れる。



「その場所って・・・」


≪オレ、幸せの国っつー所に行ってみたいから

そこまでお供してやるよ。≫



あたしはヒカルを見るとヒカルもうなずいた。



ヒロが行きたがってる場所じゃん。

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