伝説プリンセス
―ヒロは死んだ―
あたしは…ヒロのこと全然知らないまま死んじゃうなんて。
群衆でヒロの姿が見えなくなる。
「ヒロのところに行こう!」
「ダメです!」
「行かなきゃ!!」
「お嬢、落ち着いてください!」
この状況えどう落ち着けと?
いつも冷静なヒカルが冷たい人に見えた。
ヒカルの手を見るまでは。
ヒカルの手は震えていた。
拍手が広まる。
表彰が始まったんだ。
ニッコリと嬉しさを隠せないミミーの隣に
お偉いさんらしきカウボーイが並ぶ。
「幸せの国の手形だ。おめでとう。」
ミミーはゆっくりとその紙っぺらを受け取ると
観客からの拍手が沸き起こった。
「あの・・・」
ミミーはひかえめに言った。
そのひかえめな声が拍手を静める。
「この手形をライナ姫にお渡しします。」
人々はざわめく。
ミミーはあたしに微笑みかけ歩いてきた。
「そんな強張った顔しないで。」
ミミーはあたしに言っていた。