伝説プリンセス



「これをあなたにわたす。」


「なんで・・・。」



彼女はニコッと笑い、あたしの耳元で囁いた。



「今すぐこの町を出て。

そうすれば彼に出会えるから。」


"彼"と言われてすぐに誰かとはピンとこなかった。



あたしは店前の道に目を向けた。




ヒロはいない。




「ありがとう…。」



手形をミミーから受け取るとまた観客から拍手が鳴った。




「行きましょう、お嬢!」


ヒカルはあたしの手を引いて駆けだした。





「人助け、頑張って。」



後ろを振り向くと彼女は似合わないガッツポーズをしていた。







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