伝説プリンセス
~Hunter~
「ヒロ…お前は勝つ気か負ける気か?」
ピストルタイマン決勝の前夜
外に出て月を眺めている時に戦士が横に現れた。
「さぁ~?試合だから~。」
「お前はどちらとも事を転ばす知恵を持っているだろう?」
「それはお互い様ー。」
いや、下手したらこいつはオレより賢いかもしれない。
前々から思っていたが、こいつは要注意人物だ。
「取引しようぜ。」
急に戦士の声が明るくなったような気がした。
「明日のタイマンでお前が勝ったら幸せの国で勝手にしていい。
その代わりライナに手形を渡せ。」
「いやだ。」
我ながら子供っぽい断り方。
「そこにガールフレンドがいるんだろ?
声色を変えたってわかるさ。
少しは手伝ってやりてぇけど
あいにくその条件はお前の方が有利だ。」
そして、一呼吸置いてからまたオレは言う。
「どうせミミーにも寄付金だか何だか言って同じ取引してんだろ。」
横からクスッと笑い声が聴こえた。
「さすが。ただの旅人とは思えない。」
「オレはただの旅人だ。」
「そーですか。」