伝説プリンセス
幸せの国
~Princess~
「それじゃあ、お頭方。俺たちはこれで。」
洞窟の前であたしたちが軽トラックから降りると人売りはそう言った。
「なんだよ、来ないのかよ。」
「これからは車では通れないんすよ。
それにその手形で通れるのは5人までなんす。」
「じゃあ、これでお別れだな。」
ユウがまともなことを言うとしんみりする。
「今までありがとうございました。」
ヒカルは丁寧にお辞儀をする。
「まっ、ありがとよ。」
ヒロは気さくに手をひらひらさせる。
「なんか…悲しいな。泣けてくるぜ。」
人売りはおいおい泣きだす。
(こいつらって前々から思っていたけど顔に似合わず泣き上戸なんだな。)
「お前ら、ちょっとは男らしくしろよぉ。」
あたしはトラックの荷台の側を足で蹴った。
「おお、姫様の言うとおりだ。」
最後くらい男らしく別れようぜ!」
"オオ"と2人の人売りは続けて声を出す。
「じゃっ、頑張ってサチさんを助けてください。」
「帰りはこの洞窟じゃなくてもどっからでも帰れるっス。」
「そんじゃ、ご達者で。」
そう言って、人売りはエンジンをかけあたしらに手を振った。
「じゃ~な~!!」
別れの余韻に浸り
「うしっ!行くか!」
Let's 人助け。