伝説プリンセス
「ライナ…!」
炭で薄汚れたエプロンを着たサチは
あたしを見て顔をほころばせた。
「どうしたの?いきなり…。
あっ、お茶飲む?」
せっせか動くサチに
あたしはヒカルの失踪のことを言った。
すると、サチの手が止まる。
「根拠はないけど…ユウなら知ってるかも。」
「じゃあ、ユウに会いに行くか!」
そう言って、あたしはサチを連れて旅をすることになった。
と言っても、ユウのゆくえさえも知らない。
「確か…未申に行くって言ってたよね。」
ユウのガールフレンドであるサチさえ
ユウの詳しいゆくえを知らない。
「それでは、グラシリア王国に行ってはどうッスか?」
人売りの一人が言う。