伝説プリンセス



ヒカル達が家に戻ったとき


後ろから声が聴こえた。




振り向くと


家々の間からデイビットと他の男共が通り過ぎる。




デイビットたちの会話に"ラフランス王国"という言葉が聴こえた。



たしか…ライナたちの故郷じゃねぇのか?



俺は音を立てずに奴らの後について行った。






「あの町長も金出しゃ分かってくれるもんッスね。」



デイビットの隣にいる奴がヒッヒッと不気味に笑った。



なんだ…!?


あいつワイロしてんのか!?



今度はデイビットが上を向きながら笑いだす。



「これでラフランス王国の姫と結婚し


 俺は王様になるのさ!!」




なに!?




「デイビット様、もし成功したら俺たちにも…」


「分かってる。それ相応の物を渡すつもりだ。


 明日は期待してるぞ。




 お前たちの負けっぷりをな!!!!」



デイビットの周りの奴らは歓声を上げて喜ぶ。




こいつら…八百長するつもりだ…。



早く…早く誰かにこの事を・・・。




ヒカルに伝えなければ・・・。





家に帰ろうと後ろを向こうとした瞬間、



何者かに口をふさがれた。



両手が何かで絞められて動かない。




「お前…デイビット様の話を聞いてたな…。」




後ろから野太い声が恐怖を注ぐ。





つっ・・・捕まった・・・っ!?








< 21 / 395 >

この作品をシェア

pagetop