伝説プリンセス
~Butler~
「あれ・・・ユウ兄どちらへ?」
朝からユウ兄の姿が見当たらない。
「あー…あいつなら散歩に行ったと町長が言ってた。」
散歩…確かに自由奔放そうな人だけど
黙って行く人ではない。
「ほぉら、しゃきっとせいっっ!!
そんなんじゃ1ゲーム目で負けちゃうぞ?」
僕の背中をバンっと叩き
(軽く叩いたつもりだったらしいが背中がヒリヒリする)
お嬢はニコッと笑った。
その笑顔が僕に"がんばれ"と声援を送るように見えた。
これは姫のためにならない戦い。
そんな事をするなんて僕の中では
前代未聞だと心が訴えかけている。
だけど、僕は出場したい。
しないとモヤモヤして気持ち悪い。
「キャッハァー!デイビットかっけぇ!!」
お嬢が黄色い声援を送るのは
余裕の笑みを浮かべ相手の首元に剣を付きつけるデイビットだった。
「次はぁ~、エントリーナンバー28のクロコダイルvsナンバー70のヒカル!!
さぁ、前に出てぇ!!」
僕の誇りを賭けた戦いが始まる。