伝説プリンセス

ローズは優しい声で言った。


「怖がらないで、アタシは危害を及ぼさないから」


「オレにはずいぶんと迷惑かけといてな」



ヒロが口をはさむとローズはクスクス笑いヒロの耳を引っ張ったらしく

ヒロの耳が伸びて彼は痛がっている。



「…ローズ、姫様に言わなくていいのか」


「そうね…」


少し間が空いた。


「なんだなんだ??」


戸惑うあたしにローズは笑い出す。


「アタシのことはあとででいいわ。


先にあなたの用事済ませなさい。」


「―分かった」


「おいおい、なんの話だよ??」


訳を分かっていないあたしたちをおいて何かを話されると困る。


そのブーイングのように腹が鳴った。


「とりあえずヒロにも合流した事だし…」


「した事だし?」


「ここで野宿だ!!」


あたしがそう叫ぶとみんな分かっていたように苦笑する。


あたしたちは森の中にある小さな洞窟で野宿をする事にした。




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