伝説プリンセス


そして外をちらりと見て「きれいだな」と言った。


「ライナもきれいになったな」


「お世辞か?!」


「いや本当に」


「口説いても何もやらんぞ!」


「声大きい」


フフッと笑いがこぼれる。



ほんと、この2年間のうちに姫様は美しくなった。


性格が変わってないせいで分かりづらいけど、透き通った彼女の肌はガラスのように繊細で、華奢な体は今にも来られそうだ。


月のせいかな、なんて思う。



「ヒロに会えてよかった」


屈んだ足を手で覆い、うずくまる彼女に胸がしめられる。


“仲間”

きっとその意味の事を彼女は伝えたかったのだろう。



「ヒロはあんなところで何してたんだ?」


いつかは聞かれるだろうと思っていた質問。

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