伝説プリンセス
攫われた事情
~Princess~
「ヤッホォ~!!高いぜ高いぜぇ~!!」
次の日、あたしたちはバイソンに乗って砂漠を横断した。
「目的地はどこだぁ?」
バイソンの一番後ろに座っているユウが声を上げる。
「ドドド王国だ!」
一番前に座る私が答えた。
「ヒロの用事を済ませるんだ!」
「グラシリアはどうすんだよ」
「ヒロの用事が終わってからだ。それからでも遅くはない!」
「…グラシリア」
ヒロが呟いた。
「どうしましたヒロさん?」
サチがヒロの様子をうかがう。
「お前らグラシリアに行くのか?」
怪訝そうな声を出す彼に私は不思議に思えた。
「そうだけど何かあるのか?」
「いや…」
それからヒロは黙り込んでしまった。