伝説プリンセス
出動!冒険姫
~Princess~
あたしはウエストポーチに詰める荷物を考える。
手軽な食料
短剣
それと忘れちゃいけないのは冒険記。
今日からこの真っ白いノートに冒険の印が刻まれる。
考えるだけでうずうずする話だ。
「お嬢、お出かけですか?」
「うおっ、ビックリしたぁ。」
したっぱ執事のヒカルが歩み寄る。
「お出かけになさる場合はダンスの先生にお伝えを…」
「あー、分かった。
っで、ヒカルはどうしたの?」
ヒカルの顔が花開くように明るくなる。
「今日の剣術試験でまた首席を取っちゃいました!
もし、お嬢の身に予期せぬ事が起こればこの僕が…
ってお嬢がいない!?」
あたしは部屋から逃げ出した。
「姫様を捕まえろぉー!」
異変に気付いた兵士たちが後ろから追いかけてくる。
「ついてくんなっ!」
あたしはドレスを脱ぎ、
兵士たちに投げつけた。
下に着ていたのは事前に用意したTシャツとショーパン。
靴はドレスで隠していたけど
スニーカーを履いていた。
窓から城を抜け出し、
森のほうへ走った。