伝説プリンセス
そして、キミノ村に着いた。
すると、遠くから泣け叫ぶ声が聞こえた。
「なんだ?」
ユウとあたしが軽トラックから降りてみると
誰かがこっちに向かって走ってくる。
「おかしらぁ〜!!」
人売りの3人組だ。
「お頭?
ライナ、誰だお頭って?」
「さあ?」
「お頭!有難ぇよぉ。」
人売りはユウの目の前で腰を低くして拝む。
「ユウ、何か有難い事でもしたのか?」
「いいや。」
「何言ってんスか、お頭!
女たちから聞きましたよ!
俺たちを国王から逃してくれたじゃないですか!」
説明する一人の後ろに
残りの二人がおいおい泣く。
「俺たち本当は人売りなんてやりたくなかったんだ…。
でも、俺たちは昔、罪を犯した囚人で国王には逆らえない…。」
女の人たちは次々と馬車から降りてくる。
人売りは女の人の目も気にせずに泣きじゃくる。
「それを…それを…お頭はぁぁ〜。」
「分かったから。」
「ありがてぇぇぇ。」
「分かったから…。」
ユウはゴホンと咳払いをする。