伝説プリンセス
「お嬢、ユウ兄に挨拶しちゃダメですか?」
「バカ!しちゃ意味ないでしょ。」
灰色の村は夜になるともっと暗く不気味で
ライトを使わないと歩くのも困難だ。
「ソーナル町ってこっちですか?」
「分かんない。でも、こっちで合ってる!きっと!」
「おいおい、自信ありげに言ってるけど、逆方向に進んでるぞ?」
へ・・・?
この声って…。
ヒカルは声の持ち主にライトを当てる。
「おめぇら、水くせぇな。」
ユウはその大きな背であたしを見下ろす。
「さよならも無しかよ。」
「さっ…さよなら。」
「今言うなよ。」
はぁ〜とユウは大きく息を吐く。
「俺、ここに留まらないから。」
「いや〜、気を使わなくていいよぉ。」
「使ってねぇ。べつにお前らと一緒にいたいとは言ってない。」
「照れなくてもいいですよ。」
「照れてねぇ!俺はこの村を建て直すために仕事を探して金をためる。
そのためにソーナル町で仕事調査をすることにした。」
ユウは胸を張って堂々と言う。