伝説プリンセス
ガキは近寄ってきて
腰に付けていたペットボトルを開け水をゴムの上にこぼした。
「つめたっ!」
あたしは反射的に手を引っ込めようとすると
手がゴムから離れた。
ゴムは縮まっていく。
「とっ…取れた!?
ありがとう!ガキンチョ!」
あたしのお礼を無視してガキは
ヒカルとユウに付いたゴムに水をかけ、外していた。
そして、ペットボトルのキャップをしめ
ガキは初めて口を開いた。
「ヒロ兄にやられたのか?」
「ヒロ兄?」
「狩人の格好をした人。」
「あー…あいつ…。」
ユウはガキに一歩近づく。
「その…ヒロ兄って奴、何者なんだ?」
「ヒロ兄は盗賊だ。」
「ふええっ!?
ととと盗賊って!?」
あたしの大声で周りがざわめく。
「ここじゃ、まずい。
おいらの家に来い。」
そう言って、
ガキはあたしの腕を強く引っ張った。