伝説プリンセス



「盗賊って…あいつ赤ずきんを助けた


 狩人じゃなかったのかよ。」




ガキが暮らしていたのはボロボロの布を


縫い合わせて金属で骨組みを作り支えているだけの



せまっ苦しいテントだった。




ガキはあたしの顔を見ずに言った。




「本当の狩人だったと思う…。


 ここにおいらに会う前は…。」




「どういうことですか?」



ヒカルはガキの顔色をうかがった。



ガキは歯を食いしばる。




「おいらのせいで…


 おいらのせいで…


 ヒロ兄は悪者扱いされてんだ…。」



ガキは泣きだした。



拳を握り大粒の涙を流す。





そして、彼は全部話してくれた。




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