伝説プリンセス
「ヒロ兄は何も悪くないぃぃぃぃぃぃっっ!!!!」
大人たちの向こうからピキの声がした。
大人たちは振り向く。
ピキは大人たちの間から出てきてオレの目の前に立った。
そして、俺に背を向き、大人たちに怒鳴った。
「ヒロ兄は何も悪い事してない。
ヒロ兄はおいらをかばったんだ。
だから、悪いのはおいらなんだ!!」
「ピキ・・・やめろっ」
「おいらはなんだってする!!
だから、ヒロ兄の縄をほどいて!!」
「ピキっ!!」
オレの怒鳴り声にピキは振り向いた。
ピキの目のは涙が流れていて
口元は震えている。
バッカだろ、オレ。
なんでカワイイ弟分を泣かしてるんだよ。
「このチビが言っていることは嘘だ。」
オレは大人たちを睨んだ。
「違う!!ヒロ兄が嘘をついているんだ!!」
ピキは涙声で叫ぶ。
大人たちは混乱している。
ピキ・・・
頼むから黙ってくれ・・・。