伝説プリンセス
「前に進もう。」
お嬢はさっきとは違う真剣な顔になった。
「お嬢、たぶん、ヒロさんは国王の家来に捕まったのでしょう。」
「おう、じゃあ、国王にサチとヒロを返せって言うしかないな。」
「それより・・・
お嬢・・・
ユウ兄は・・・?」
あたりを見回してもどこにもいない。
ほんの数分、目を離しただけなのに…。
「ユウも連れていかれたか・・・。」
お嬢の声が小さくなった。
「お嬢…。」
「ヒカル…どこにも行くなよ?
あたしを守ってくれるって言ったよな?」
今度は僕が姫の両手を優しく握った。
「はい、何が合ってもお嬢の傍にいます。」
「信じるぞ?」
「はい、信じてください。」
その瞬間だった。
首にチクリと何かが刺さり
激痛が走る。
「ヒッヒカル!!??」
力が抜けお嬢の手が離れていく…。
そして、僕はその場に倒れた・・・