伝説プリンセス


〜Soldier〜


聞こえる。


この暗闇の中


何かがこちらに向かっている事が


音で分かる。




「まったく愚かだ。」


のぶとい男の声。



「お前…王に遣えている者じゃないな?」



俺の問掛けに男は鼻で笑った。



「王に大量のパプラカをもらって

お前を殺さない程度に傷めつけろと言われたのさ。」


「お前らも人売りと一緒かよっ」



「いや違う」


急に男の口調が強くなった。



「あんな腰抜と一緒にするな。


俺たちは目的があってこの仕事をしている。


だから、人が何人殺されようとかまわない。」



「ひでぇー奴だなっ」


静かにつばを呑み込んだ。


俺、とんでもねぇー奴と会話してるよ。



さて、どうするか…。



「お前、俺を殺さない程度に傷めつけると言ったよな?」


「ああ」


「じゃあ、俺の仲間もか?」



「そうだ。


お前ら全員をと頼まれたからな。


今頃、傷だらけになって気を失っているだろう。」



という事は


皆、別々の部屋に連れ込まれ



一人に一人、

こいつの仲間が相手をしてるってわけか。



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