伝説プリンセス
〜Princess〜
「ヒカルー!」
「ユウー!」
「ヒロー!」
「サチー!」
「どこに居るんだよー!」
なんだよこの暗さ。
何も見えないじゃないか…
ヒカルたちがどっか行ってしまってから
あたしの後ろの首筋にチクッと何か
痛みを感じ眠くなって寝ちゃって
起きたらこんな暗闇だ。
いったい何がどうしたんだよ。
「おーい!誰か居ないのかぁ?」
暗い闇の中、一人は怖い。
昔からそうだった。
誰も…
誰も…居ないのかよ…
「居るわよ。」
左から声が聞こえた。
あたしは見えないけど左を見た。
その瞬間、パッと一面に明かりがついた。
光に目が慣れてくると
ここは小さい倉庫だという事が分かる。
「本当は明かりを付けないようにって言われたんだけど
暗闇の中にずっと居るのってお肌に悪そうじゃない?」
そう喋るのは積み重ねた鉄パイプの上に座って
手鏡を見て顔にファンデーションを付ける女性だった。
だけど、その女は右側の顔だけ鋼の仮面で隠されていた。