伝説プリンセス
クリーム色の肩までの髪。
ファンデーションを塗っても変わらない
白い顔。
ファンデーションだけでアイメイクもリップも塗らない顔がこちらを向いた。
「かったるいわよねー。
今日はお肌の付きが悪いのに仕事が入るなんて。
萎えるわ〜。」
つまんなそうに喋る女。
「だっ…誰だ!?お前!」
女はニコッと笑う。
白い顔で少し不気味だ。
「あら興味あるの?
ライナ・クリスティーヌ姫。」
なんで…あたしの本名を…
クリスティーヌという名前は
身内しかしらない名前なのに…
「フフッ
驚いてるようね。
あたしも驚いたわ。
まさかクリスティーヌ王族の姫様がターゲットなんて。」
「えっ…ターゲットって…」
体が固まる。
“殺される”
ふとそう感じた。
「あ…」
「あー、殺さないわ。
殺さないから安心して♪」
彼女はあたしを安心させようと笑顔を作るが
逆にその笑顔は恐怖を呼ぶだけだ。
逃げなきゃっ
あたしは出口を探した。
ドアだ!
あたしはドアノブに手をかけて
ゆっくり回した。