伝説プリンセス



怒鳴り声とともに


僕の体がどんどん宙に浮いて行く。





無数の直線が交差し光っているのが分かる。





クモの糸だ。






「グデア…さん?」



「すまないな…。


 まさかこんな事が起きるとは…。


 いや、いつかはこんな日が来るとは分かっていたが…。」




「何を言ってるのですか?」



なんとなく空気で察する事が出来る。



でも、"グデアさん"という存在自体がそれを否定する。



それは僕の中での偏見かもしれない。。。






「君を殺すという事だ。


 ピーナッツの国王には殺すなと言われたが


 どちらにしろ君はピーナッツの国王に殺される。



 君の命はあんないかれた国王に殺させるような命ではない。


 ならば、私が君の息の根を止めるまでだ。」




「何を…言ってるんです…?」



声が震える。



それにつられて体も震えようとするが


振動がクモの巣によって相手に伝わってしまうので



なんとか堪えようとこぶしに力を入れた。








「君が私のターゲットなんだよ。」



そんな僕の姿に気づいたのか気付いてないのか


グデアさんは静かに言った。




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