伝説プリンセス



グデアさんが向ける剣がひやりと顎を触る。





「私に殺されたくなければ解放してやろう。



 その代わり我が死屍団に入れ。」




「だけど…結局、僕はこの国の国王に殺される運命なんでしょう?」



「いや、私が解放して君が上手く逃げられれば話が変わる。


 もちろん、仲間を助けようとしてもよい。



 あのいかれた国王の考えている事も教えてやろうか?」




先ほどとは違った笑い方をするグデアさんは


もぅ僕が知っているグデアさんではなかった。





「なぜそこまで僕を入れようとするんです?」



「力が欲しいからだよ!」



急に高くなった声は発狂した獣の咆哮にも聞こえる。






「君の五感。


 剣さばき。


 そして、その目だ。」




「僕の…目…?」



僕は驚いて瞬きをする。




「そうだ。


 その美しくブルーに輝く目が


 我らのトレードマークになるのだ!!」




「トットレードマーク!?」




マヌケな裏返った声を出してしまった。



< 91 / 395 >

この作品をシェア

pagetop