大空の唄‐second‐
「じゃあ、俺仕事だから」
まるで照れ隠しをするように、そう言ってあたしの腕から離れ変装を始める蒼空
「が、がんばってね」
そう笑顔を作ってみたけど内心は寂しい
もっと、傍に居たい
でも、そんなわがままを言えるわけもなく
あたしは近くにあった蒼空の財布と携帯を手に取った
「何?」
蒼空の変装が終わるのを待つ間、横に立ってそれを見ていると
蒼空がちらりとこっちを見て言った
「えぇ!?」
ぼーっとしてしまっていたからか、つい間抜けな声が漏れた
「何か、言いたいんじゃないの?」
あたしは、そんなに何か言いたげな顔をしていたのだろうか
後ろを向きうっすらと窓ガラスに映る
自分の顔を見てみる
「ばか、そんな顔されたら
行きたくても行けなくなる。」