大空の唄‐second‐
夢 -AYANE-
微かに部屋に差し込む朝の柔らかい光
その光に導かれるようにゆっくりと重たい瞳を開ける
小鳥の鳴き声ならぬカラスの鳴き声が聞こえ
隣の部屋からはテレビの音が聞こえる
「起きよ…」
そうは思ったもののまだ寝起きのせいか
瞳だけでなく体も重い
すごく大きな重力で引っ張られているような
そんな不思議な感覚
分厚い布団から少し顔と手をだし
歪む視界の中でテレビのリモコンを探す
顔を布団から出すと、視覚だけでなく
嗅覚もここぞとばかりに反応した
あーいい匂い
これはトーストの香り、そして
何かを焼いているような油の匂い
あたし、こう見えても鼻がいい
ん?
でも、何か忘れているような気がする
いつもの朝なのに
いつもと違う違和感を感じるのは何故?
あー良いに、お、い?
「誰!?」
あたしは重大なことに気が付き飛び起きた