大空の唄‐second‐
数日後、翔の家に久しぶりにいつものメンバーが集まった。
「ゴホン、それではあやのデビューを記念して…」
「「「かんぱーい!!」」」
テーブルに並べられた豪華な食事に酒とジュース
「あや、やったな!」
「うん!今でも夢みたいだよ!」
その後、絢音は正式に歌手デビューが決定した。
とは言ってもまだ内部的に決定しただけで、表向きには何も発表されていない。
まだ方向性を決めているような段階。
「あやちゃんはどんな音楽がやりたいの?」
「んー!やっぱり私はバンドしたいかな。
それが一番好きな音楽の形だから。」
「でもさ、社長もよく方向性も決めずにスカウトしたよな。」
翔がそう言ってグラスに口を付けた。
「何でも社長自身が動画見て絢音の歌に一目ぼれしたらしいよ。」
「ふーん、あの社長がね…。」
俺たちの所属する星空クリエイティブの社長は無類の音楽好き。
この業界でも音楽にはかなり厳しことで有名だった。
「まあ、社長の気持ちも分かるよな。
まさかあやがあんなもの隠し持ってるなんてな。」
「別に隠してたわけじゃないよ!
それにみんなの方がすごいじゃん。」
絢音はそう言って首を大きく横に振った。