大空の唄‐second‐
「その後だよ!その後!」
蒼空はあたしが何を思い浮かべているのか察したらしく恥ずかしそうに袖口で顔を隠しながらそう言った
その、あと…
「確かあの後電車に乗って…
その後の記憶がない」
やばい、本当にその後のことが思い出せない
あたしは呆れたようにため息をつく蒼空に誤魔化すように舌を出した
「はぁぁ、バカ、まじでコイツバカ」
蒼空が言うにはあの後電車で爆睡し始め
電車が目的の場所に着いても起きないあたしを無理矢理立たせ、支えながら電車を降り
それでも起きないあたしを負ぶって家まで送ってくれたらしい
「でもよく家の場所覚えてたね」
蒼空には何度か家の近くまで送ってもらったことがあるが、ほんの数回なのである
「自分で案内したんだろ!
なのに本当に記憶ないのかよ…」
蒼空はまた盛大なため息を漏らした