大空の唄‐second‐


あたしが案内した?


必死に記憶をたどるが思い出せない


その時ふと一つの疑問があたしの頭を過ぎった


「で、何で今もいるの?」


あたしがそう尋ねると蒼空は顔を真っ赤にして


「自分で考えろ」


というとこんがりと焼けたパンを口に運んだ


自分で考えろと言われても覚えてないんだもん


あたしはサラダをムシャムシャ頬張りながら考える


うーん…


…うーん


・・・・


考えているうちに浮かんできたのは昨日見た夢


『お前家どこだよ!?』


ぼんやりとする視界にそんな声だけが響く


『あっち…』


『あっちって言われても分かんねー!』


『ずーっと真っ直ぐ行ったら自販機があるから
その横にある…ピンクのマンション…』


ふわふわと浮かんでいるような感覚に洗濯物の良い香り、そして温かい感覚

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