大空の唄‐second‐
んー
腕を組み顔をしかめながらチラリと
蒼空の方に視線を向ける
「まさか、あれ夢じゃなかったのかなぁ?」
まるで独り言を言うように
でもわざとらしくそう言うと蒼空は大きくため息をついた
まるでその通りだと言うようなため息
あたしはごまかすように苦笑いをしたが、すぐにあることに気が付いた
「だから、ずっと傍に居てくれたんだ」
口元が勝手に緩む
「そんなんじゃねーよ!」
蒼空はそう言ってあたしに背を向ける
「照れてるの?」
蒼空の照れる姿なんておかしくて、そして可愛くて
つい意地悪したくなってしまう
「照れてねー!」
そう言う蒼空の正面に回ってみる
すると蒼空はハッとしたようにまたくるりと体の向きを変えてしまう
かわいい
蒼空の意外な一面に触れてあたしの胸はきゅんとなる
「蒼空、かわい過ぎ!!
もー!!大好き」
そう言って後ろからギュッと抱きしめると蒼空は「バカ」と小さく呟いた