Special Side Story
「タケル、絶対誰にも言うなよ?お前にだけ相談したい事がある。」
中学1年の冬、まだ無邪気だったタクマが俺にだけこっそり打ち明けてくれた事。
「ユイが好きなんだ。」
……………。
可愛い奴だよ全く。わざわざ耳打ちしなくても、お前の態度でとっくに分かってた。
俺だって、ユイさんの事チョット好きになりそうだったよ。あんなに可愛い年上見た事ない。
まぁ言わねえけど…。
だってさ、ユイさんもお前しか見えてなかったし。
でも、これまた事情があって?誰にも内緒らしいじゃん。
なんだよそんなんばっか。
おまけに、ユイさん…高校上がってから彼氏出来たじゃん。
意味分かんねえ…。
タクマの事好きなんじゃねえのかよって…。
ユイさんに2人目の彼氏が出来た時から、タクマがいきなりおとなしくなった。
「おい…タクマ最近ノリ悪いな。」
俺がそうからかうと、タクマは真面目な顔でこう言った。
「ユイって、クールな大人が好きみたいなんだ。」
…まぢかよ。
一途すぎだろ。
男の俺が言うのもおかしな話だけどさ、タクマ…お前
素直すぎて…
純粋すぎて…
可愛いな。
中学生の俺は、素直にタクマが羨ましかった。