Special Side Story


タクマがぐったりして俺んちに来たのはもう何回目だろう。


今年に入ってからは、俺の恋愛相談より完全にタクマの相談の方が多くなってる。


「絶対、最近俺の事避けてる…。」



ウチの店のカウンターに突っ伏してるタクマは、ちなみなノンアルコールだ。




いつもゎ俺がヘコんでるはずなのに、タクマを慰める役もそろそろ板に付きそうだな。



「なぁタケル、俺…もう諦めた方がいいかな?」




正直、俺には二人の関係が理解出来ない。それでも、何年も二人を見てきた俺は期待してる。




タクマの恋が実る事を……


そして確信してる。



ユイさんはタクマを好きなんだ。



だから……



卒業式の後に聞いた、タクマの話には衝撃を受けた。



「…だからもう、ユイの事は諦める。」



俺はつい感情的になった。


「諦めんなよ…!まだ頑張れるだろタクマ。」



「ありがとな、タケル。」




俺は、今まで見た事もないようなタクマの悲しい笑顔を見ながら…



やっぱり一人の女に本気になるなんて、無駄なのかと思った。






< 19 / 20 >

この作品をシェア

pagetop