Special Side Story
タクマがぐったりして俺んちに来たのはもう何回目だろう。
今年に入ってからは、俺の恋愛相談より完全にタクマの相談の方が多くなってる。
「絶対、最近俺の事避けてる…。」
ウチの店のカウンターに突っ伏してるタクマは、ちなみなノンアルコールだ。
いつもゎ俺がヘコんでるはずなのに、タクマを慰める役もそろそろ板に付きそうだな。
「なぁタケル、俺…もう諦めた方がいいかな?」
正直、俺には二人の関係が理解出来ない。それでも、何年も二人を見てきた俺は期待してる。
タクマの恋が実る事を……
そして確信してる。
ユイさんはタクマを好きなんだ。
だから……
卒業式の後に聞いた、タクマの話には衝撃を受けた。
「…だからもう、ユイの事は諦める。」
俺はつい感情的になった。
「諦めんなよ…!まだ頑張れるだろタクマ。」
「ありがとな、タケル。」
俺は、今まで見た事もないようなタクマの悲しい笑顔を見ながら…
やっぱり一人の女に本気になるなんて、無駄なのかと思った。