Special Side Story
山城ユイ。
どうやら、最近失恋したらしい。
彼女の上司である、高本豊。通称部長。
本気でモード入ります。
しょっ中話しかけて、しょっ中食事に誘った。
まぁ強引にだけど…。
つまり、弱ってる彼女に付け入ったと。
そんな感じだな。
最初は遠慮がちだったものの、徐々に彼女も心を開いてくれて…
『幸せに…して下さい…。』
これまた遠慮がちに、俺を受け入れてくれた。
3年かかったんだ。
毎日が幸せだった。
欲しかった彼女が、すぐ側で笑ってる。
あの細い腕を、俺の腕に絡めて少し甘える。
ただ…幸せな中にも…不安事が。
付き合い始めて1年たった今も、彼女が家に泊りに来る事はないという事。
別に体目当てな訳ではないからいいんだけど。
いいんだけどなぁ。
たぶん、昔の男を引きずってる…。
早く、俺が忘れさせてやらなくては。
最近、あと一押しな気がしてる。
実は今日の食事の後、ホテルを取ってて…彼女の気持ちに蹴りがついたら、連れて行く予定だ。
正式なプロポーズをする。
幸せな1日になるはずだった。