Special Side Story
それでもさ、俺は頭から離れない事があった。
その卒業式の夕方、また後でな、9時に駅前のカラオケ集合な、なんて笑って結局会えなかったあの日の事。
タクマが電話をくれた夜。
「俺、アメリカ行くわ。いきなりでゴメン。」
本当にイキナリすぎだよ。
「連絡しろよ。」
それを言うので精一杯だった俺に、言ってくれた。
「タケル、お前は俺の大親友だよ。俺、タケルががいなかったらこんなに楽しい学生生活送れなかった。」
「嬉しい事言うなよ泣けるだろ。」
「日本に帰ってくる時は連絡する。最後にさ…。お前にもいつか絶対本気になれる女現れると思うよ。俺もユイの事まだ頑張るからさ。アメリカ行くのはチャンスだ。」
今まで一度も俺の恋愛に関して聞くだけで、口出しはしなかったタクマの言葉。
ガッツリ胸に刻まれだ瞬間。
俺、本気になれるかな?
タクマがいつか帰ってきて、ユイさんを手に入れるまでに、必ず見つけて見せるよ運命の女。
どっちが先だろうな。
楽しみだよ、なぁタクマ。
タケルの心。
end.