Special Side Story



「タクマ!会いたかった!」



空港に迎えに行くと、写真より少し大人になったアナタが見れた。



「初めまして杏奈。」



アナタの無邪気な笑顔とはまた違う、紳士的な笑顔に今度こそ恋に落ちたわ。




私の気持ちは最高潮。



ああ、この人が私の未来の旦那さま。



夢が膨らんだ。




…なのに…



来て早々、いきなり婚約破棄だなんてひどすぎる。




理由を問いただすと、アナタはこう言ったわ。



『杏奈、本当に申し訳ない。俺には、迎えに行かなきゃ行けない人がいるんだ。』




話を聞けば、タクマはその人に全く相手にされてないじゃない。


「婚約破棄だなんて嫌よ!お互いが大人になるまでゆっくり考えて…。」



そんなのやめて私にすればいいのに。



アナタは優しいから、少し考える時間を作ってくれた。



アナタの側にいる時は、いつもドキドキしてしまって顔が赤くなってるのが自分でも分かったわ。



それでもアナタの気持ちはいつも同じ。


あの人を思い続けてる。




それでもいいから…と、アナタの側にいた。



゙婚約゙という言葉にすがってる自分がたまに嫌になる。





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