ヴァンパイアに、死の花束を
「ちょっ、ちょっと待って!!『ガイア』って今は封印されているんでしょう!?今から100年は開かないって小説に書いてあったわ。その中にいたと言うなら、なんでここにいるの!?それに……それに…もしかして……レイの母親っていうのはサラ・キングストンで、穂高のお母さんは……」

まさか、と胸がドキドキと脈打つ。

サラ・キングストンはもと人間のヴァンパイアで、物語の後半でブルースというヴァンパイアと恋人になった。

美人で、相当のキス魔で、カレンの親友。

レイがカウンターに頬杖を突きながら、嬉しそうに微笑む。

「さっすが、『イヴ』だね。察しが早い。その通り、オレの母はサラで、父はブルース。でもって、そこでむっつりしてるのがヴァンパイアの王『デュオ』とその妻『カレン』の息子だよ」

サラっと軽い調子で言うレイとは正反対にわたしは驚きで馬鹿みたいに口を開いたままだった。

穂高が………デュオとカレンの息子!!

「『ガイア』は確かに今は封印されてるけど、なぜかオレたち2人だけ出てくることができたんだ。生まれて2ケ月たったところでオレたちは気づいたら『月の光』に包まれそのまま外に放り出された。その頃はもう10歳ほどになっていたかな。そこに日本の『製薬会社ガイア』から来たヴァンパイアがオレたちを迎えにきたってわけさ」


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