ヴァンパイアに、死の花束を
教室を出て1階の入り口を目指して走る。

泉水……どうか、馬鹿なことはしないで!!

「…ハァ…ハァ…!」

息を切らしながら玄関やその周りを探したのに、泉水の姿は見つからなかった。

どこに行ったの?

バスケの試合での泉水のものすごいスピードを思い出した。

あのスピードなら、もし見つけても捕まえられないかもしれない。

諦めかけたその時、1階の奥の音楽室に入っていく陣野先生の姿が見えた。

「…陣野先生……!?」

なんで、音楽室に?

わたしは夢中で音楽室に向かって走り出した。

ドンッとぶつかるように音楽室の分厚いドアに手をかける。

………鍵!?

いつもこの時間に鍵のかかっていないドアに、しっかりと鍵がかけられていた。

たしかに……先生が確かにここに入っていったのに。

泉水と先生が一緒だったら、一体どうすればいいの!?

わたしは音楽室の防音ドアにぴったりと耳をつけ、神経を音楽室の中一点に集中させる。



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