ヴァンパイアに、死の花束を
辺りはすっかり暗闇になっていた。
海にその姿を映すように、月が淡い光を放つ。
港に入って少しのところで、わたしとレイは車を降りた。
港からさきほど泉水が乗って行ったタクシーが出てくるところとすれ違う。
「やっぱり、間違いなく泉水はここね」
ドキドキする。
緊張と不安で胸がいっぱいだ。
穂高……。
穂高に一緒に来てもらえばよかった。
「神音ちゃん、彼女を助けられたら、オレとキスしてくれる?」
「……は!?」
ウィンクするレイを一瞥する。
「何言ってるの?わたしは穂高じゃなきゃ…」
穂高じゃなきゃ嫌って言いそうになって、口をつぐんだ。
レイはニッコリと微笑み、空を仰いだ。
「良かった。元気出たみたいだね。それに、その言葉。穂高が聞いたら泣いて喜ぶよ」
レイ………。
レイは、さりげない。
普段は大げさな身振り手振りなくせに、本心を見せる時だけは、さりげない。
……レイは、わたしを元気づけようとしてくれたんだ。
それに、穂高のこと、ほんとに好きなんだね。
この二人、ほんと不思議な関係。
クスリと笑ったわたしにレイがエスコートするように手を差し伸べた。
「この先で、泉水ちゃんが待ってるよ」
海にその姿を映すように、月が淡い光を放つ。
港に入って少しのところで、わたしとレイは車を降りた。
港からさきほど泉水が乗って行ったタクシーが出てくるところとすれ違う。
「やっぱり、間違いなく泉水はここね」
ドキドキする。
緊張と不安で胸がいっぱいだ。
穂高……。
穂高に一緒に来てもらえばよかった。
「神音ちゃん、彼女を助けられたら、オレとキスしてくれる?」
「……は!?」
ウィンクするレイを一瞥する。
「何言ってるの?わたしは穂高じゃなきゃ…」
穂高じゃなきゃ嫌って言いそうになって、口をつぐんだ。
レイはニッコリと微笑み、空を仰いだ。
「良かった。元気出たみたいだね。それに、その言葉。穂高が聞いたら泣いて喜ぶよ」
レイ………。
レイは、さりげない。
普段は大げさな身振り手振りなくせに、本心を見せる時だけは、さりげない。
……レイは、わたしを元気づけようとしてくれたんだ。
それに、穂高のこと、ほんとに好きなんだね。
この二人、ほんと不思議な関係。
クスリと笑ったわたしにレイがエスコートするように手を差し伸べた。
「この先で、泉水ちゃんが待ってるよ」