ヴァンパイアに、死の花束を
「…熱い…穂高……熱いよ…!」

両腕を押さえられたまま、熱さに堪らなくなって首を振る。

「『イヴの欠片(かけら)』だ……」

「?」

突然の穂高の不可思議な言葉に、わたしは穂高を見上げた。

穂高の視線はわたしの胸を凝視したままピクリとも動かない。

不思議に思い熱を帯びた自分の胸の谷間を見下ろした。

「!?」

………江島先生と同じ……薔薇の形のアザ!!!

それは見事に、さっき陣野先生がキスしていた江島先生の胸のアザにそっくりだった。

色も、大きさも、形も。

「……どうして…?こんなの今朝まではなかった……」

こんなアザができるようなことをした覚えもないし、いつできたかもわからない。

でも、とにかく燃えるように熱かったのはこのアザだとわかった。

………どういうこと!?

不安になり穂高を見上げた瞬間。

彼は悔しげに瞳を細めると、白く光る牙を突き出し、次の瞬間にはわたしの胸のアザに唇を押しあてていた。

「……穂高!?」

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