ヴァンパイアに、死の花束を
なんにも考えられない。
…………穂高、あなたのことしか。
穂高のキスの部分からわたしの体の隅々まで徐々に熱が伝わっていく。
…………あった……かい………。
穂高は唇を離すと、ため息のように吐息を吐いた。
「…ふ…ぅ…ハ…ぁ……神音……もう、大丈夫か?」
喉はもう少しも痛まない。
流れていた血の感覚もなくなっていた。
「…うん。穂高…これって『キスの刻印』だよね?」
「…そんなわけないだろ?」
ちょっとごまかすように、下を向いてフードを被り直した穂高。
穂高……体が熱くて。
………あなたに惹かれて………苦しいよ。