ヴァンパイアに、死の花束を


「……神音……お前……」


瞳を見開いて、驚いたように立ちすくむ穂高。


「……ん…は…ぁはぁ……」

呼吸が苦しい。

体中に凍てついた風が吹きすさんでいるように、ゾクゾクする。


暗闇なのに、『灯』を感じる。

ヴァンパイアの呼吸の『気配』を感じる。




「……神音………瞳が………」



陣野先生が江島先生から唇を離し、待っていたかのように不敵に微笑んだ。



「イヴ……『深紅』の瞳。一千年前、『永遠の命』をくれた君に、私が捧げた瞳だ」




………わかる。

キラキラと月の光に照らされながら落ちていく涙に、わたしの『深紅』の瞳が映る。





―――――わたしは、イヴの命を受け継ぐ者………………!!!



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