ヴァンパイアに、死の花束を
気がつくと、わたしは無我夢中で陣野先生を追って柵を飛び越えていた。
ここは4階で、目が回るほど地上からは遠いけど。
そんなこと考える余裕もなかった。
江島先生の白衣がヒラヒラと舞うように落ちていく。
その上から重なるように落ちていく陣野先生の肢体。
……体が重力に引きつけられるように、落ち始める。
―――――そのわたしを切なげな瞳で見つめる陣野先生の顔が、はっきりと、見えた。
―――――…………火月…………。
「………神音――――――!!!!」
グイっと両腕の下から、逞しい腕が伸びてきた。
……ガクンッ……!!
柵を挟んで穂高がわたしの体を背中から抱きしめる。
「……う…ふ…ぐ…ぅ……ほ…だか……」
力強く苦しいほどに抱きしめる強い腕。
「……っばかやろう…」
フードをかぶった穂高が後ろから自分の頬をわたしの頬に押し付ける。
宙ぶらりんの体が、先生と一緒に地獄に行きかけた自分の体が、今、穂高にしっかりと抱きとめられている不思議な感覚。
「…ふっええっ」
ほっとしたのと、落ちていく先生たちの気配に、わたしは嗚咽をもらした。
ここは4階で、目が回るほど地上からは遠いけど。
そんなこと考える余裕もなかった。
江島先生の白衣がヒラヒラと舞うように落ちていく。
その上から重なるように落ちていく陣野先生の肢体。
……体が重力に引きつけられるように、落ち始める。
―――――そのわたしを切なげな瞳で見つめる陣野先生の顔が、はっきりと、見えた。
―――――…………火月…………。
「………神音――――――!!!!」
グイっと両腕の下から、逞しい腕が伸びてきた。
……ガクンッ……!!
柵を挟んで穂高がわたしの体を背中から抱きしめる。
「……う…ふ…ぐ…ぅ……ほ…だか……」
力強く苦しいほどに抱きしめる強い腕。
「……っばかやろう…」
フードをかぶった穂高が後ろから自分の頬をわたしの頬に押し付ける。
宙ぶらりんの体が、先生と一緒に地獄に行きかけた自分の体が、今、穂高にしっかりと抱きとめられている不思議な感覚。
「…ふっええっ」
ほっとしたのと、落ちていく先生たちの気配に、わたしは嗚咽をもらした。