ヴァンパイアに、死の花束を
「神音………ずっと、愛してた」
赤い薔薇が、ふわり、と手から滑り落ち、
……………『死の世界』へと、旅立った。
その世界から、じっとわたしたちを見上げる『先生』には、わたしたちは気づかずに。
地上で『死に花』を受け取った先生は、ゆっくりと、その場を立ち去った。
キスをしながら、わたしはママの小説の中のヴァンパイアの深い愛の『本当』を知った。
『ヴァンパイア』も、こんな恋をするんだ―――――。