ヴァンパイアに、死の花束を
揺れる心
体育館中にどよめきが走る。
派手にダンクシュートを決めた泉水を見るみんなの驚愕のざわめきが聴こえる中。
泉水はまっすぐに、わたしを見ていた。
……どうしてまた、わたしを…?
泉水は制服の乱れを直しながら再び走り出した。
「神音!」
明日美がわたしにボールをパスし、ゲームが再開する。
ドリブルしながら頭の中は泉水の『イヴの欠片』のことで頭がいっぱいだった。
泉水が2つめの欠片を持つ者。
陣野先生はもうそのことに気づいているのだろうか?
先生は彼女のクラスの英語も受け持っているはずだ。
……でも、太ももの内側なんて、そうそう気が付ける場所じゃない。
陣野先生が気づく前に、なんとかしなきゃ!
無我夢中でゴール前に走り込んだわたしの目の前に、突然、泉水の姿が現れた。
……欲望の欠片もない、渇いた瞳。
「イヴ、わたしを……殺して」
…………殺し…て…?
それはヴァンパイアでなければ聞きとれないような、囁きだった。
その言葉に、体が凍る。
………殺してって、どういうこと!?
一瞬の隙をついて、泉水はわたしのボールを奪うと、誰も止められないようなスピードで、ゴールへと走り出した。
派手にダンクシュートを決めた泉水を見るみんなの驚愕のざわめきが聴こえる中。
泉水はまっすぐに、わたしを見ていた。
……どうしてまた、わたしを…?
泉水は制服の乱れを直しながら再び走り出した。
「神音!」
明日美がわたしにボールをパスし、ゲームが再開する。
ドリブルしながら頭の中は泉水の『イヴの欠片』のことで頭がいっぱいだった。
泉水が2つめの欠片を持つ者。
陣野先生はもうそのことに気づいているのだろうか?
先生は彼女のクラスの英語も受け持っているはずだ。
……でも、太ももの内側なんて、そうそう気が付ける場所じゃない。
陣野先生が気づく前に、なんとかしなきゃ!
無我夢中でゴール前に走り込んだわたしの目の前に、突然、泉水の姿が現れた。
……欲望の欠片もない、渇いた瞳。
「イヴ、わたしを……殺して」
…………殺し…て…?
それはヴァンパイアでなければ聞きとれないような、囁きだった。
その言葉に、体が凍る。
………殺してって、どういうこと!?
一瞬の隙をついて、泉水はわたしのボールを奪うと、誰も止められないようなスピードで、ゴールへと走り出した。