ヴァンパイアに、死の花束を
地下1階に降り立った瞬間、そこは井戸の底のように真っ暗闇だったけど。
穂高が漆黒の鉄のドアを開けると、たちまち目の前の視界が開けた。
そこは学校の教室くらいの広さがあって、長いカウンターとその中には、たくさんのお酒らしきビンが飾られていて、カウンターの前の空間には壁づたいに何席かテーブルが並んでいるけど、真ん中はガランと空いていた。
「ここ……って!?」
立ちすくむわたしの肩を抱いて穂高が中へと招き入れる。
中に入ってみると、非常階段よりは明るいものの、うす暗い照明だけの室内はまさに『バー』という雰囲気だった。
「バー『ヴァンパイア・キス』へようこそ。神音ちゃん」
そう言ったのは、いつの間にかカウンターの中に立っていた20歳ほどの男性。
彼は肩まで美しい銀髪を垂らし、青い瞳と、色気漂う顔立ちで、ニッコリと微笑んだ。
ここって、制服で来るところじゃないんじゃ……!?
銀髪の男性はなおも誘うようにわたしに微笑みかける。
あまりの色気に恥ずかしくなって目を逸らしてしまうわたし。
「レイ…言っとくけど、神音に手出したら殺す」
……へ!?
横にいる穂高を振り返ると、レイという男性をムスっとした顔で睨みつけていた。
でもすぐに張り詰めた空気を解くように笑う。
「レイ、一応初めてだから紹介する。入江神音。『イヴの命を継ぐ者』、だ」
穂高が漆黒の鉄のドアを開けると、たちまち目の前の視界が開けた。
そこは学校の教室くらいの広さがあって、長いカウンターとその中には、たくさんのお酒らしきビンが飾られていて、カウンターの前の空間には壁づたいに何席かテーブルが並んでいるけど、真ん中はガランと空いていた。
「ここ……って!?」
立ちすくむわたしの肩を抱いて穂高が中へと招き入れる。
中に入ってみると、非常階段よりは明るいものの、うす暗い照明だけの室内はまさに『バー』という雰囲気だった。
「バー『ヴァンパイア・キス』へようこそ。神音ちゃん」
そう言ったのは、いつの間にかカウンターの中に立っていた20歳ほどの男性。
彼は肩まで美しい銀髪を垂らし、青い瞳と、色気漂う顔立ちで、ニッコリと微笑んだ。
ここって、制服で来るところじゃないんじゃ……!?
銀髪の男性はなおも誘うようにわたしに微笑みかける。
あまりの色気に恥ずかしくなって目を逸らしてしまうわたし。
「レイ…言っとくけど、神音に手出したら殺す」
……へ!?
横にいる穂高を振り返ると、レイという男性をムスっとした顔で睨みつけていた。
でもすぐに張り詰めた空気を解くように笑う。
「レイ、一応初めてだから紹介する。入江神音。『イヴの命を継ぐ者』、だ」