空
ガッシャ――――――ン
動物園行き当日
朝の5時
狭いキッチンでボウルが床に落ちる音が響く
「わぁ~もぉやだ~~」
独り言を呟いてしゃがみボウルを拾おうとすると………
目の前に 大きな足
…………ん?
ボウルを持って目線を上げると
「こんな朝早くから………
うるせぇんだよ………
風羽……………」
うわっ!てっちゃん………
しかも寝起きの不機嫌モード…
私は立ち上がり
「ごっ、ごめんね?静かにするから………」
私が小首を傾げて ひきつった笑顔を浮かべると
「………何してんだよ?」
ギロッと私をにらむ
やだ~。てっちゃん もともと目付き悪いんだから、にらまないでよ………
「見ての通りお料理よ」
「化学の実験じゃなくて?」
てっちゃんは私に顔を近付けて
からかう
「何で私がここで実験すんのよっ!」
「風羽が料理する所なんて初めて見るぞ」
てっちゃんはクスクス笑った