空
それから、二人でお弁当の余りのおかずで朝ごはんして
私は動物園へ行く支度をした
部屋で鏡の前
手のひらに乗せた空羽のケータイを見つめて
――いいのかなぁ………
空羽…………怒ってない?
伊織くんに嘘ついて
空羽のふりして………
「………はぁ……」
急に気分が重くなる
はしゃいでる自分が 浅ましい
そんな気がするよ………
~♪~♪~♪~♪
急に手のひらで
空羽のケータイが鳴る
「わぁっ」
びっくりして一瞬ケータイを落としそうになった
パクっとケータイを開いて
「はい」
出ると
「空羽ちゃん。おはよ………」
と言う伊織くんの後ろで
「く~~ちゃ~~~」
伊音くんの声も聞こえた
可愛くてクスクス笑うと
「伊音、うるさいよ……
ごめんね、空羽ちゃん」
「ううん」
「今、マンションの下に着いたよ」
「わかった。今、行くね」